特集 現代の保健所論・1
大都市における保健所―横浜市都筑区福祉保健センターの場合
窪山 泉
1
1横浜市都筑福祉保健センター
pp.358-361
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100864
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保健と医療,福祉の連携の重要性については繰り返し強調されているが,平成7年の阪神淡路大震災後,改めて再認識されたと思われる.横浜市では,従来の保健所と福祉事務所が統合されて,平成14年1月に福祉保健センターが開設された.横浜市では福祉保健センター条例が制定されたが,この保健所と福祉事務所の統合に関する条例は,全国で初めてのものである.本稿では横浜市の福祉保健センター制度と都筑区福祉保健センターについて報告し,若干の考察を加える.
横浜市および都筑区の特徴
横浜市は,面積434.43km2,人口350万人の政令指定都市である.18区から成り,各区の人口は8.0~29.9万人である.
都筑区は横浜市の北部に位置し,面積27.88km2,人口16.5万人である.平成6年の行政区編成で,港北区,緑区より都筑区ができた.当初人口11万人であったが,8年間で40%増加した.毎年約7,000人の人口増加がある.出生数が2,000を超えるが,65歳以上の老年人口は8.4%と低い.区の北部と中央部は港北ニュータウン地域であり,区の南部は野菜や果実を中心とした農業が盛んで,鶴見川沿いの工業地帯では,ITなどの最先端企業の研究所や,工場が集積している.若いまちであるが,多様な面を有している.
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