連載 世界の公衆衛生に貢献した日本人先駆者たち-次世代へのメッセージ・1【新連載】
世界の結核対策への日本の貢献(上)
島尾 忠男
1,2,3
1結核予防会
2エイズ予防財団
3日本国際保健医療学会
pp.317-320
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100856
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講演は「世界の結核対策と私」と題してとのことでしたが,私は結核予防会に入ったおかげで,その後の日本,ならびに世界の結核対策とその移り変わりを身近で見聞きする機会があり,私なりの国際協力もできたと思っています.それは個人の力ではなくて,結核予防会,あるいは日本の結核病学会が総力をあげてやったことなので,題を「世界の結核対策への日本の貢献」に変えました.結核領域での国際協力は,他領域に比べても日本は早くからよくやっていたと思いますので,そのあらましについてお話しいたします.
最初に私事になりますが,まずは結核に関心をもつようになった契機から.戦前旧制高校は3年でしたが,戦争がひどくなり,軍医が足りず早めに養成しようということで,旧制高校の3年が半年短縮され,昭和19年9月に2年半で高校を終えて,10月に東京大学医学部に入学しました.
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