特集 地域から取り組むリプロダクティブ・ヘルス―新しい出産像を求めて
育児をめぐる新しい体系づくりを考える
関 千春
1
,
鳥居 央子
2
,
飯田 恭子
3
1東京都立保健科学大学
2北里大学看護学部
3東京都立保健科学大学
pp.202-204
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100825
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育児をする親たちの不安感,困難感が増大している.「子育ては,楽しみや生きがいである」という質問に対する回答で「とてもそう思う」は,米国77.2%に対し,日本44.2%と大きな差が出ており,海外先進諸国との比較においても問題視されている1).本稿においては,日本における育児を取り巻く環境の現状を考察し,支援や体制のあり方について考えていきたい.
育児を取り巻く環境の変化
日本においては,育児の経済的側面を社会で支えるという考え方が従来から欠如していたが,コミュニティが機能していた時代には,経済に換算できない「ご近所によるサポート」等が存在していた.現在,その両方が欠乏していると言われ,育児には困難が生じている.
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