連載 リレー連載・列島ランナー・100
多胎育児支援のネットワークづくり
落合 世津子
1,2,3,4
1おおさか多胎ネット
2日本多胎支援協会
3平安女学院大学子ども教育学部
4元藍野大学医療保健学部看護学科
pp.603-606
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208707
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はじめに
ふたご,みつご等の多胎児出生は,急速な少子化傾向の中にあっても2004年までは増加していましたが,2005年以降は減少傾向にあります.多胎の母は母親の100人に1人の割合です.多胎児のお揃いの笑顔と互いに世話を焼く姿をご想像ください.多胎児のかわいさは格別です.しかし,その育児は同じ年齢の複数の子どもを同時に24時間毎日世話するという困難を極めることでもあります.そのため,予防的視点から考えると,多胎家族に対して特化した育児サポート(特に妊娠中から育児期にかけて)を切れ目なく,病院や保健福祉行政,地域から行う必要性があります.
筆者は,保健所保健師として未熟児訪問先におけるふたごの母の「育児に自信が持てない,ほかの母はどうしているのか」の声と,自身のふたご育児の反省を重ねて,多胎サークルを立ち上げました.自主サークルの継続は当事者だけでは難しいものがあります.このサークルの支援者としての想いと自身のふたご育児の反省から,現在,おおさか多胎ネットと日本多胎支援協会で,多胎育児のネットワーク活動に携わっています.
本稿では,読者の皆さまに多胎育児のより一層のご理解とご支援を賜わりますよう,また,民間組織とのコラボを視野に入れていただきたく,多胎育児の現状と地域のピアサポート構築を目指している民間組織活動をご紹介いたします.
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