トピックス
自殺防止対策有識者懇談会報告「自殺予防に向けての提言」について―公衆衛生従事者に期待されること
植田 紀美子
1
1厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課
pp.124-126
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100807
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
厚生労働省に設置した「自殺防止対策有識者懇談会」では,平成14年2月から,自殺の現状と今後取り組むべき自殺予防対策について多角的な検討を重ね,12月に最終報告「自殺予防に向けての提言」(厚生労働省ホームページに掲載中)を取りまとめた(表).本稿では自殺予防対策において,公衆衛生従事者(保健所,精神保健福祉センター,市町村の医師・保健師等,保健医療行政担当者,産業保健スタッフ等)に期待される役割について,提言に沿って解説するとともに,今後の厚生労働省における自殺予防対策について記載する.
「自殺」は,公衆衛生上の問題であり1),すべての国民にとって身近に起こり得る問題である.1996年のUN/WHOのガイドライン2)では,国家レベルでの自殺予防対策の推進を提唱し,欧米諸国ではすでに,うつ病対策や一般医・保健医療従事者への研修等を中心とした国家レベルでの自殺予防施策が行われている.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.