特集 今日の学校保健
学校保健管理のシステムと手法
衞藤 隆
1
1東京大学大学院教育学研究科
pp.21-24
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100781
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学校保健は明治以来の歴史を有し,固有のシステムを形成してきた1).今日,地域保健や職域保健との接続あるいは連携の必要性が高まり,改めて健康管理システムとしてのあり方が問われていると理解される.
学校保健と保健管理
1. 学校保健の領域構造
学校保健においては図に示すような組織の形式で「学校保健の領域構造」が唱えられてきた.学校保健は保健管理と保健教育の2本の柱から成り,それらを保健組織活動が支えるという形になっている.保健管理と保健教育を車の両輪に例えるなら,保健組織活動は車輪が円滑に進むような調整,援助,支持を行う.保健管理はまた環境管理と健康管理とに大別され,対人管理である後者は健康診断と健康相談から成っている.また,保健教育は保健指導と保健学習から成っている.保健指導は保健管理の中でも行われることがあるので,保健管理のもう1つの枝が伸びるように示されることもあるが,次に述べるように「健康教育」の概念を広くとらえ,その一環として保健指導を考える場合は図のままで考える.
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