綜説
学校における保健管理
湯浅 謹而
1
1文部省学校保健課
pp.245-253
発行日 1960年5月15日
Published Date 1960/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202272
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学校における保健管理はその制度的よりどころが学校保健法におかれている。また,学校そのものが自然発生的な所在ではなくて,そのありかたが学校教育法によつて規定されているのである。事実,昭和33年6月以降実施をみた学校保健法以前においては保健管理は「健康管理」と表現され,今なお学校保健関係法規の内に一部存在している。この保健管理という言葉や概念は,どうやらわが国にのみ存在しているのではないかとも思われる。学校における保健管理の内容の主要なものは戦前においては学校衛生の名の下にあつた。そして戦後の占領下においては,アメリカの強い指導下にあつて,学校衛生の内容は次のような表現とわくの内におかれたのである。即ち,(1)健康に適した学校環境Healthful School Environment,(2)健康に適した学校生活Healthful School Living,(3)学校保健事業School Health Serviceの3つの領域である。そして,これは概略現行の保健管理(以前の健康管理)にあたつている。なお,学校における保健活動としては以上の他に(4)保健教育(以前の健康教育)Health Educationがあつて,(以上の(1)(2)(3)(4)とこれらのための組織及びその運営を加えて学校保健計画,School Health Programと称していた。)(註,中等学校保健計画実施要領文部省試案,昭和25年刊参照)。
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