特別記事
[座談会]戦後の日本の経験を国際協力に活用する
中村 安秀
1
,
石川 信克
2
,
佐藤 寛
3
,
坂本 真理子
4
,
大石 和代
5
1大阪大学大学院人間科学研究科ボランティア人間科学国際協力論講座
2結核予防会結核研究所
3アジア経済研究所開発研究センター
4愛知医科大学看護学部
5長崎大学医学部保健学科看護学専攻
pp.561-568
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100766
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
中村(司会) 私たちは厚生労働科学研究費補助金(社会保障国際協力推進研究事業)として,「戦後日本の健康水準の改善経験を途上国保健医療システム強化に活用する方策に関する研究」を3年間行ってきました.
その研究目的は,次のとおりです.第二次世界大戦後の日本の急激な乳幼児死亡率の減少など,保健医療指標が大きく改善した日本の経験に学びたいという強い期待が途上国から寄せられている.しかし,途上国では文化,宗教,教育や経済状況など,保健医療を取り巻く環境が日本と随分違っている.そういった中で,日本の経験がそのまま現地で応用できるわけではない.日本の保健医療がどのように発展してきたのか,その発展要因は何なのかということを科学的に分析して普遍化することによって,日本の国内でも,そして国外でも使える,普遍性を持つエッセンスが得られるのではないか.そう考え,研究を始めました.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.