特集 がん対策・2
がん検診の新手法に関する展望
2.バイオテクノロジーのがん検診への応用とその将来性
尾野 雅哉
1
,
本田 一文
1
,
山田 哲司
1
1国立がんセンター研究所化学療法部
pp.100-102
発行日 2007年2月15日
Published Date 2007/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100737
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
効率のよいがん検診は,がんを早期に発見することにより,がんを治癒せしめ,がんの死亡率を激減させることができるという議論のもとに,世界的に積極的な取り組みがなされている.日本では,国立がんセンターが中心となって,科学的根拠に基づいたがん検診のガイドライン1,2)を作成している(http://canscreen.ncc.go.jp/).またアメリカではNIHが中心となって,2015年を目標に早期の段階でがんを発見する方法を確立するためのプログラムを推進している(http://edrn.nci.nih.gov/).
効率のよいがん検診を行うには,多くの人が定期的に検診を受けることが重要で,検査は受けやすく,網羅性のあるものでなければならない.大腸がんでは,便潜血という非侵襲的な検査でスクリーニングを行い,陽性群に大腸内視鏡検査を行うことでがん検診の有用性を確立している1)が,このように,侵襲の少ない方法で危険群を絞り込み精密検査に至る方法をすべてのがんに応用するためには,網羅的なスクリーニング法の開発が必要である.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.