根をおろす医師会活動
東京都練馬区医師会—保健所の対人サービスを援助
正木 英世
1
1東京都練馬区医師会
pp.120-121
発行日 1971年2月15日
Published Date 1971/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204213
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最近,地域医療ということがクローズアップされているが,われわれの医師会はこれをどのようにうけとめているか述べてみたい.
従来,公衆衛生学というものは人間の健康福祉の保持増進のため自然科学的に人間の生存により適した生活環境を実現していくということであったようであり,Hatchの図1を借用するとAの部分をその活動範囲としていたことになるが,それにサブクリニカルな,はっきりした症状を呈していない人たちの健康管理(B)までを含めて,community medicinあるいはsocial medicinといっているようである.われわれはそれを逆に考えて,従来われわれがあずかっていた治療部分(C)に加えて(B)の部分までを含めて,われわれ医師会の担当すべきものではないかと考え,このような形の地域医療の中心とすべく,当区医師会医療検査センターを昭和43年以来整備しつつあったが,本年度に至り総額約2億の建設費でほぼその完成をみるに至った.この医療センターは各地の医師会臨床検査センターが従来会員の共同施設として患者治療のための中央検査室の役目を果していただけのものであったのを発展させ,地域住民の健康管理までをも行ない得るよう各種の設備例えば,集団用胸部X線車,集団用消化管X線車などを加えたものである.
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