調査報告
練馬区麻疹ゼロ作戦―3年間の取り組みとその評価
西田 みちよ
1
,
北島 和子
1
,
成田 友代
2
,
木尾 祐子
3
1練馬区保健所
2中央区保健所
3杉並区保健所
pp.330-334
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100292
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練馬区では平成14年7月に区内中学校で発症者17人に及ぶ麻疹集団感染を経験したことを契機に,麻疹ワクチン接種の重要性を再認識し,平成14年度から麻疹ゼロ作戦を展開している.戦略の3本柱を「未接種者の把握と接種勧奨」,「普及啓発」,「麻疹発生時の情報連絡システムの構築」とした.平成14年度から現在までの3年間の取り組みとそれを評価するために実施した3つの追跡調査の結果について報告する.
練馬区の現状
練馬区は人口約67.1万人,出生数は平成16年5,819人であり,東京23区中2番目に人口の多い区である.練馬区保健所はいわゆる県型の保健所業務以外に,市町村業務も併せて行っており,区役所内の保健管理課,生活衛生課,予防課3課の他,6か所に保健相談所を配している.予防接種業務は予防課所管であり,ポリオ,BCG以外の予防接種は,区内の医療機関に委託して個別方式で実施している.麻疹の予防接種は生後3か月時にDPT(初回・追加),風疹と共に予診票を個別郵送している.個人の接種履歴等は予防接種情報システムによりデータベース化し,予防課が一元管理している.乳幼児健診等の健診は各保健相談所で実施している.
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