Japanese
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増大特集 新・リハビリテーション技術
総論―評価・診断・治療・他
評価
介護負担度の評価
Assessments of caregiver burden.
荒井 由美子
1
Yumiko Arai
1
1国立長寿医療研究センター看護・介護・心理研究室
1Research Unit for Nursing Caring Sciences and Psychology, National Institute for Longevity Sciences (NILS)
キーワード:
介護負担
,
介護者
,
介護保険制度
Keyword:
介護負担
,
介護者
,
介護保険制度
pp.1005-1009
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109894
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はじめに
近年わが国は世界一の長寿国となり,それとともに要介護高齢者数の増加が急加速している.それに対応するため,厚生省(現・厚生労働省)は介護・看護サービスの拡充を推進してきた1).しかし,サービス供給の絶対量不足や,地域によっては公的サービスの利用に対する偏見もあり,在宅で要介護高齢者を介護する家族の負担が増加する結果となった.
今自分が世話している家族が少しもよくならないとか,病気が今後どうなるのかという将来への不安,介護に時間がかかりすぎ自分の自由な時間がないことなど,これらが介護者の大きな負担となり,介護者にさまざまな身体的・精神的症状をもたらす結果となっている.こうした過度の介護負担は,介護する者の心身をむしばみ,ついには精神的な疲労を来し,時として要介護者に対する虐待を生じ,さらには,在宅介護の破綻が生じることもある.
1997年の厚生白書によると,要介護高齢者を介護する者の3分の1が介護する相手に対して“憎しみ”の感情を抱いたことがあると回答している2).したがって,要介護者自身のみならず介護者を精神的にサポートし介護負担を軽減することは,在宅介護を円滑に継続するために,きわめて重要である.
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