連載 世界を見て,日本を見る.Public Health Opinion・9
フランスにおける公衆衛生教育
松田 晋哉
1
1産業医科大学医学部公衆衛生学教室
pp.739-740
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100473
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筆者は1991年度フランス政府給費留学生として,フランス国立公衆衛生大学校(Ecole Nationale de la Santȇ Publique: 以下ENSP)に留学した.本稿ではENSPにおける公衆衛生教育について紹介してみたい.
まず,フランスの公衆衛生学教育であるが,大学における卒前教育では医学部の第2,第3学年時に公衆衛生学と産業医学(法医学の一部門),あるいは臨床系における関連教育(例:小児科における小児保健)として行われている.公衆衛生学の標準的な教科書であるSante´ Publiqueから,その主な項目を例挙すると次のようになっている.保健医療組織(医療保険制度,社会福祉制度),疫学,公衆衛生活動(保健医療計画,予防,健康教育,保健医療分野における協働,評価方法),環境科学,薬物中毒,事故(交通事故,屋内における事故,労働災害),予防医学(感染症,がん,循環器疾患,糖尿病,精神保健),社会医療活動(母子保健,高齢者,障害者,貧困と公衆衛生),栄養と公衆衛生(世界の食糧問題,食品衛生),発展途上国における公衆衛生.
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