連載 世界を見て,日本を見る.Public Health Opinion・8
ILOのアジア地域産業保健技術協力
川上 剛
1
1ILOアジア太平洋総局
pp.649-650
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100450
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アジア地域技術協力の実際
ILO(国際労働機関)は1919年の創設以来,働く人々の労働条件の改善を通した社会正義の実現を目ざして,各国政労使と協力して労働・社会分野における幅広い活動を続けてきた.「産業保健」はILOが設立当初から積極的に取り上げてきた課題である.
現在私はタイ・バンコクのILOアジア太平洋総局に所属しながら,モンゴル,中国,ヴェトナム,ラオス,カンボジア,タイ,マレーシアでの産業保健技術協力を実施している.その主要な内容は,国の政策レベルに対する助言と,草の根レベルのトレーニング活動の2つに大別できる.前者では産業保健におけるILO条約やガイドラインを参照しながら,国としての産業保健活動計画の立案,法規の作成,労働監督を通した実施等に対してアドバイスを行う.後者では中小企業,小規模建設現場,家内労働,農業等,産業保健情報やサービスの届きにくい職場の労働者・経営者を直接の対象にした自主対応参加型のトレーニング活動を進めている.
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