特集 公衆衛生対策におけるクライシスコミュニケーション
行政における危機管理―「生物テロ」を中心に
志方 俊之
1,2
1帝京大学
2東京都
pp.594-597
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100437
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行政にとって「危機」と言ってもいろいろある.伊勢湾台風や阪神淡路大震災といった大規模な「自然災害」が危機であることは誰でも知っている.しかし,どんなに行政が頑張っても,地震や台風が起きないようにすることはできない.行政がなしうることは,地震や台風によってもたらされる被害を最小限にすること,すなわち「減災(mitigation)」のための努力である.
地震や台風による被害は,倒れた家やその下に閉じ込められた被害者,燃え落ちる家々,破壊された堤防,冠水した地域や屋根の上に取り残された人々など,被害そのものが目に見える.
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