連載 公衆衛生ドキュメント 「生きる」とは何か・3
ナパーム弾で被災した少年
桑原 史成
pp.414
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100407
- 有料閲覧
- 文献概要
1968年の1月末に,ベトナムでは南北の戦争(ベトナム戦争)で,北ベトナムと北を支持する南ベトナムの民族解放戦線は,南ベトナムで全土一勢の蜂起を行った.いわゆるテト攻勢である.テトは旧正月のことで,ここから世界に「テト」が知られるようになった.
共産軍側からの攻撃を受けて,アメリカ軍(約50万人)は反撃に出た.南ベトナムの戦場で,アメリカ空軍は敵陣に重油性のナパーム弾を投下していた.この弾は人命の殺傷で,やけどの被災を与える性能があった.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.