Japanese
English
展望
非行少年の精神医学
Psychiatric Approach to Juvenile Delinquent
樋口 幸吉
1
K. Higuchi
1
1東京大学医学部脳研究所
1Institute of Brain Research, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.343-353
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200557
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I.非行の概念と最近の動向
非行はdelinquencyの邦訳で,第2次大戦後わが国で少年の犯罪や不良行為に対して一般的に用いられるようになつた。その概念規定や内容は,国により,あるいはこれを用いる人によつてかなりまちまちであるが,その行動が社会に受けいれられないものであるか,反社会的であるという点では一致している。
もつと厳密にいうと,窃盗,詐欺,強盗,恐喝,暴行,強姦,殺人,放火などのように,刑罰法令にふれる行為すなわち犯罪と,刑罰法令にはふれないが,社会的に危険であるか,そのまま放置すると,将来犯罪におちいるおそれのある行為ないし状態に分けることができる。後者は虞犯行為とよばれるもので,喫煙,飲酒,怠学,怠業,盛場徘徊,不純異性交遊,不良交友,家出,乱暴,金銭濫費,物品持出などがこれに属する。
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