特別記事
[座談会]日本の疫学と公衆衛生の未来を考える①―「疫学の未来を語る若手の集い」の足跡を辿る
水嶋 春朔
1
,
中山 健夫
2
,
小橋 元
3
,
門脇 崇
4
,
内藤 真理子
5
1東京大学医学教育国際協力研究センター
2京都大学大学院医学研究科社会環境医学系専攻健康情報学分野
3北海道大学大学院医学研究科社会医学専攻予防医学講座老年保険医学分野
4滋賀医科大学福祉保健医学講座
5京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野厚生科学研究リサーチレジデント
pp.289-297
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100361
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水嶋(司会) 本日は,日本疫学会の「疫学の未来を語る若手の集い」(以下,「若手の会」)の新旧の世話人メンバーが集まり,日本の疫学と公衆衛生の未来を考える座談会全3回シリーズの,第1回目をお届けしたいと思います.今回は,創設の頃から「若手の会」の世話人としてかかわった中山先生,小橋先生と,現在ホントの若手として世話人をしている門脇先生,内藤先生にご参加いただき,「若手の会」が始まった経緯や主な活動の成果などについて(表),自由闊達に談論したいと思います.『公衆衛生』の読者の皆さんにも,ご参考になる内容となることを期待しております.
「若手の会」草創の頃
水嶋 「若手の会」の発足の経緯について,ご説明いただけますか?
中山 1996年1月の第6回日本疫学会(名古屋)の時に勉強会として「若手の会」が発足しています.浜島信之先生(現愛知がんセンター)と川上憲人先生(現岡山大学)にミニレクチャーをしていただいて,自由に議論をしました.比較的年代が近い40歳前後くらいから下の若手研究者が分野横断的に自由な集会を開くことは,とても刺激的でした.この第1回「若手の集い」は玉腰暁子先生(名古屋大学)が発起人となって「疫学をやっている若い人たちが大学という枠から離れて,自由横断的に交流を深めようよ」という呼びかけをされたのがきっかけです.日本疫学会ニュースレターの教室紹介欄に,教室の枠を越えた横のつながりの大切さを書かれていたことを覚えています.そしてそれが実現して,「若手の会」がスタートしました.
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