トピックス 禁煙治療最前線④
諸外国における禁煙治療サービスの実際―イギリスと香港の場合
守田 貴子
1
,
中村 正和
2
,
大島 明
3
1大阪府立健康科学センター健康生活推進部,「第3次対がん10か年総合戦略」事業に基づく財団法人がん研究振興財団
2大阪府立健康科学センター健康生活推進部
3大阪府立成人病センター調査部
pp.49-52
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100321
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はじめに
2004年度から厚生労働科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業の「効果的な禁煙支援法の開発と普及のための制度化に関する研究」(主任研究者:大島明,大阪府立成人病センター調査部長)の分担研究課題として,わが国での「医療の場における効果的な禁煙治療法の普及のための制度化に関する研究」(分担研究者:中村正和,大阪府立健康科学センター健康生活推進部長)を実施している.本研究の一環として,禁煙治療の効果的かつ効率的な普及方策について検討するため,諸外国における禁煙治療サービスの制度化の内容やその効果について国際比較研究を行っているが,すでに禁煙治療に対し,保険給付等による費用補助が制度として実施されているイギリス,香港,台湾,韓国などを中心に,調査票による調査,関連文献のレビューやホームページ,海外研究者との情報交換により情報を収集中である.
調査対象としている国々の中で,アジア諸国の中で最初に禁煙治療の公的サービスを2002年より開始した香港と,1999年に世界に先駆けて公的保険の下で禁煙治療サービスを開始したイギリスに関しては,実際に現地を訪れ,禁煙サービスを行っている代表的な施設見学の他,政府関係者やサービス実施にあたって中心的な役割を果たしてきた研究者や臨床家らと意見交換を行った.
本稿では,これらの調査結果を踏まえ,イギリスと香港における禁煙治療の実際について,その概要を紹介する.
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