特別寄稿
薬害肝炎訴訟を追う
江刺 正嘉
1
1毎日新聞社会部
pp.904-907
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100186
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汚染された血液製剤によるC型肝炎ウイルス(HCV)感染をめぐり,国と製薬企業の責任を問う全国5地裁の薬害肝炎訴訟が大詰めを迎えている.サリドマイド,スモン,HIV(エイズウイルス),ヤコブ病と薬害が繰り返される中で,原告側は「薬害を根絶する最後の裁判」と位置づける.5地裁で最も審理が進んでいる福岡地裁では今年10月に証拠調べが終了,来年2月にも結審し,秋までには初めての司法判断が示される見通しだ.最初の提訴からまもなく3年.5地裁での審理はC型肝炎をめぐる国や製薬企業の対応の問題点を浮き彫りにするとともに,裁判の迅速化や国の情報公開のあり方にも課題を投げかけている.
相次ぐ専門家の重要証言
昨年8月31日と翌9月1日の2日間,フィブリノゲン製剤の製造承認を早々と取り消したアメリカ食品医薬品局(FDA)の当時の責任者が,東京地裁の証言台に立った.
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