特別寄稿
大学の利点と現場の利点
吉村 健清
1
1福岡県保健環境研究所
pp.650-652
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100125
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昨年3月,医学部卒業以来,長年私の活動の場としてきた大学を離れ,4月からいわゆる地方衛生研究所といわれる県の試験研究機関に勤務することとなった.大学では公衆衛生学,臨床疫学という場にいたので,公衆衛生,予防医学の立場から,保健環境研究所での仕事も大きな差はないのではないかと考え,現職を引き受けることとした.
私自身,公衆衛生は対象とする住民があって成り立つものと考えていたので,現場と大学が車の両輪のごとく連繫することが不可欠であるし,また連繫しなければ発展もないと述べてきた.これまで大学からの公衆衛生は経験してきたので,今回は現場からの公衆衛生に挑戦してみたいと,この世界に飛び込んだ.
現実に大学の場を離れ,衛生行政の場に飛び込んでみると,外からでは見えないいろいろな発見があった.今回,衛生行政の一研究機関に入って1年の経験を振り返って,これからどのような公衆衛生の展開が可能かを模索してみたい.
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