特集 自然災害と公衆衛生活動
台風豪雨災害にどう対処したか
清水 昌好
1,2
1前兵庫県但馬県民局但馬長寿の郷豊岡健康福祉事務所(豊岡保健所)
2現(財)兵庫県健康財団保健検診センター(兵庫県健康生活部)
pp.463-464
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100101
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2004年10月20日に来襲した台風23号により,管内においては,床上浸水以上の被害約5,000世帯,床下浸水約3,500世帯という甚大な被害を受けた.さらに豊岡市では,市街地のおよそ8割が水没し,当所の庁舎も床上浸水は免れたが,駐車場等,周囲は腰くらいまで浸水し,20日夜から22日の朝まで職員は出勤できず,言わば孤立状態であった.しかも,停電,断水し,電話こそ使用できたが,ファックス,パソコン,テレビなどは使用できない状況にあり,福祉部門の職員合わせて16名,全職員の約2割で対応した.このような状況の中,次々と医療,福祉,衛生関係施設の被害の情報が入ってきた.
その中でも特に緊急の対応を要したのは,水道施設等の被害による断水のため,透析病院等から支援要請を受けたことである.幸い水道事業所等の関係機関と連絡調整を行い,給水車の派遣,水道事業所等の支援で事なきを得た.
以下,当所の対応について,主な業務である検病・健康調査活動,消毒活動を中心に述べる.なお,災害ごみ,し尿処理等の廃棄物行政については,保健所外の県民局内別組織が所管している.
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