調査報告
基本健康診査受診者を対象にした高齢者の体力の実態とそれに基づく評価基準の提案
高波 利恵
1
,
品川 佳満
2
,
桜井 礼子
1
,
稲垣 敦
3
,
草間 朋子
1
1大分県立看護科学大学広域看護学講座保健管理学研究室
2大分県立看護科学大学人間科学講座健康情報科学研究室
3大分県立看護科学大学人間科学講座健康運動学研究室
pp.81-86
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100018
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
高齢者のADL(Activities of Dairy Living:日常生活動作),QOL(Quality of Life:生活の質)を確保し,健康寿命を延伸するために,筆者らは老人保健法に基づく基本健康診査(以下,健診)の際に医学的健診項目に加えて,健康関連体力を測定する必要性を提案してきた1).そして高齢者を対象とした健診の場で実用的に測定できる健康関連体力項目として,体脂肪率,握力,長座体前屈を提案し1),現在,N町の健診で測定,評価を行っている.
N町の高齢者の体力を既存の体力評価基準を用いて評価すると,極端に低く判定される者がおり,N町全体の体力も低く評価されることがわかった.この結果は,既存の高齢者の体力評価基準が,老人クラブやスポーツクラブ等に参加している身体的,精神的および社会的に高い活動能力を持つ高齢者の結果をもとに作成されたものである2~4)のに対して,健診の対象者には運動習慣を全く持たない者や,腰痛や関節痛などの障害(以下,筋骨格系の障害)を持つ者が含まれているためではないかと考えられる.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.