特集 結核対策の最近の動向
地域における結核への取り組み—愛知県
五十里 明
1
Akira IKARI
1
1愛知県衛生部保健予防課
pp.176-179
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900761
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◆はじめに
愛知県(名古屋市を除く)の結核対策は,昭和52年度から開始された結核サーベイランス事業を中心に各種の事業を推進している1).当初,衛生部保健予防課の結核管理担当に「結核管理センター」を設置し,以下の業務を行っていた.
①結核患者の情報管理(患者の情報集積)
②結核菌検査(保健所実施培養の高度検査)
③定期外検診の対応(保健所への技術援助)
④結核技術担当者の研修・教育の企画,実施
⑤エックス線車による集団検診(過疎地域)
これらの業務のうち,①では昭和55年1月から県独自のコンピュータの導入によるサーベイランスシステムを採用し,7年間の結核に関する県内情報の把握とその活用に努めてきたが,昭和62年1月からは,国レベルのサーベイランスシステムの開始に伴い発展解消された.また,②〜④は,民間活力の導入を重視することにより,昭和61年4月に設立された財団法人愛知県健康づくり振興事業団(結核・成人病健診部,旧(財)結核予防会愛知県支部)に対し業務の委託化がなされた.さらに,⑤は該当保健所の業務として委任がなされている.
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