連載 政策をヒントに,看護管理をブラッシュアップ・16
介護保険制度を知る part3—看護小規模多機能型居宅介護(看多機)について
小野田 舞
1
1一般社団法人看護系学会等社会保険連合 事務局
pp.416-418
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350050416
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看護小規模多機能型居宅介護とは
近年耳にすることも多い“看多機(かんたき)”という言葉,これは看護小規模多機能型居宅介護の略称です。介護保険制度の中の地域密着型サービスと呼ばれる類型の1つで,市町村が管轄し,サービス事業者がある当該市町村に住民票のある方が利用できます。
国が推進する地域包括ケアシステムでは,可能な限り住み慣れた地域で,自分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう,地域における包括的なサービス提供を目指しています。しかし,現実には,高齢化や核家族化に伴う在宅での介護力の不足や,在宅看取りをする家族への支援などが不足している状況です。また,複合的に介護サービスを利用した場合,どうしてもサービスとサービスの間に時間の切れ目が発生してしまいます。調子が悪くなってからサービスを整えようとしても,調整に時間がかかるといった課題もありました。さらには,医療機関の在院日数短縮によって,医療依存度が高い状態のまま在宅療養が始まってしまうケースもあります。

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