連載 精神科病床を休止。超長期入院の患者さんをどうやって地域へ?・1【新連載】
始まりの時
高田 大志
1
1浦河ひがし町診療所
pp.298-301
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200091
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扉開けて
2014年12月31日大晦日、私はAさん(40代、女性)と一緒に町内のスーパーに出かけていた。年末のごちそうを買うのが目的だ。車に乗る前、同じ住居に住むBさん(50代、女性)にも声をかけたのだが今日は気分が乗らないらしい。不機嫌なBさんを後目に、「ごちそうを買いに行こう。それから靴もね。洋服も買いたいな」。Aさんは意気揚々と車に乗り込んだ。
1959年に地域の基幹病院である浦河赤十字病院に50床で開設された精神科病棟が、2014年9月に休止となった。長い歴史のなか、何度かの増床と縮小を経てきたものの、いよいよ入院治療に頼らない新たな挑戦が、この浦河の町にやってきたのであった。
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