連載 患者さんのあの訴え、実はこうだった!・1【新連載】
「しんどい」と抽象的な言葉を繰り返す患者さん
山本 梓
1
1医療法人三幸会第二北山病院
pp.142-143
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610290020142
- 有料閲覧
- 文献概要
患者さんの言動
40代女性のAさんは、20代で統合失調症を発症して以降さまざまな病院で入退院を繰り返していました。Aさんは退院にあたって一人暮らしを望んでいたものの、生活能力や経済面に課題があることがわかったため、生活の基盤を整えることを目標にまずはグループホームへ入所することになりました。この退院調整には私も支援者の一人として関わっており、退院後も引き続き外来で支援を継続していくことになりました。グループホームに入所後、懸念していた集団生活への不適応や精神状態の悪化は認めず、外来に来たときも「元気です」とにこやかに話していました。
しかし、入所から1か月ほど経った頃から、「毎日しんどい」「作業所を休んでしまった」と訴え、予約外で外来を受診することが増えてきました。医師の診察でも明らかな病的体験の訴えはなく、内服薬を調整したり、頓服薬を変更してみたりと薬物療法を中心に進め、経過をみるよう伝えられていました。その後も、予約外で外来に来る頻度は減らず、「しんどい」と繰り返し訴え、退院時と比較すると表情も乏しくなっていきました。
Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

