特集2 どうやってもうまくいかなかった「境界例」
その「しんどさ」をどうすれば乗り越えられるのか―「理解」じゃない。「先取りして信じてしまう」んだ。
瀬野 佳代
1
1井之頭病院
pp.90-94
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100341
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境界例に振り回されたことがない?
境界例の人が入院してくると看護者は振り回されて,ときにはチームが分断されてしまう,だから境界例は嫌いだ,という話はよく耳にする。
でも,私には境界例が入院して医師と看護が対立したり,看護チーム内で対立したという記憶がない。私がこれまで働いた病院(3か所)は,境界例の入院に対して積極的でなかったために数として少なかったからかもしれないし,入院中の境界例の人が私には寄ってこないという話もある。教員をしていたときも,“境界例的”学生は一度話をしにくる程度で,その後通ってくることはなかった(看護以外の教員のところには足繁く通っていたようだったが……)。
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