連載 偶然、でくわす精神療法—「いつものケア」からこぼれる小さなセラピー・6【最終回】
日本で、制度による精神療法ができると思いますか?
橋本 和樹
1
1京都博愛会病院
pp.532-537
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610280060532
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べてるの家のP. I.性
「日本で制度による精神療法ができると思いますか?」
そう尋ねられることがたまにある。そういうとき私は、「うーん」と少し溜めてから「もちろん!」と答えている。制度による精神療法(以下、P. I.)を始めた精神科医フランソワ・トスケィエスは、「病院を治療せずに人を治療することはペテンである」とまで言っていた。つまりP. I.は、「できるかできないか」の次元ではなく「するかしないか」なのである。

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