徹底分析シリーズ 麻酔科医が行う「手術室外の」処置時鎮静
手術室外麻酔(NORA)としての消化器内視鏡鎮静—安全性と診療報酬構造から考える現状と課題
岡野 龍介
1
,
須田 奈緒美
1
Ryusuke OKANO
1
,
Naomi SUDA
1
1東京女子医科大学 麻酔科学分野
pp.472-481
発行日 2026年5月1日
Published Date 2026/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330050472
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消化器内視鏡は外来診療から入院治療,緊急対応まで,今日の医療で最も頻繁に行われる処置の一つである。消化器内視鏡鎮静の目的は,手技の安全性を確保しつつ患者の快適性を保ち,強い気道反応を抑制しながら内視鏡操作を安定させることにある。日本ではその大半は非麻酔科医による鎮静で行われており,麻酔科医が関与するのは高リスクや急変,手技が長時間に及ぶ治療的内視鏡が中心である。このタスクは,暗く,狭く,手術室に劣る設備しかない環境で,自然気道で実施しなければならないことが多く,実は麻酔科医にとって最も難易度の高い手術室外麻酔non-operating room anesthesia(NORA)の一つである(表1)。これらはすべて手術室麻酔では経験しにくいタスクであり,麻酔科医として一歩先を読む能力を試される場面が多い(表2)。若手麻酔科医がこうした内視鏡鎮静を担当する機会は増えているが,その特徴を十分に理解しないまま臨むと予期せぬトラブルに直面する。

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