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左内頸静脈からの透析用カテーテル留置における危険部位—『魔の3地点』の理解と対策
徳嶺 譲芳
1
,
中澤 春政
1
,
森山 潔
1
Joho TOKUMINE
1
,
Harumasa NAKAZAWA
1
,
Kiyoshi MORIYAMA
1
1杏林大学医学部 麻酔科学教室
pp.111-117
発行日 2026年2月1日
Published Date 2026/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330020111
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はじめに
右内頸静脈から挿入されている透析用のカテーテルが脱血困難であるため,左内頸静脈から新たに透析用カテーテルを挿入してもらいたいという依頼があったとしたら,どうしたらよいでしょうか? 先に結論を述べると,
「左内頸静脈からの透析用カテーテル挿入は,
可能な限り避けるのが賢明である」
となります。しかし,実際の臨床では,やむを得ず左内頸静脈から挿入しなければならないこともあります。そのような場合にまず検討すべき代替法には,次の二つがあります。
①感染のない右内頸静脈カテーテルの内腔から,無菌的にガイドワイヤーを挿入してカテーテルを入れ替える1)
②すでに右内頸静脈に挿入されているカテーテルの周囲を十分に消毒し,挿入されているカテーテルを損傷しないよう注意しながら,穿刺可能な部位から新たに挿入する
しかし,①の方法は,完全な清潔操作を維持することが難しいという問題があります。②の方法は,穿刺針で既存のカテーテルを損傷するリスクがあり,また最適な穿刺部位はすでになく,例えば右内頸静脈でも鎖骨に近い部位から穿刺せざるを得ない場合には,機械的合併症の危険性が高まります。ならば右内頸静脈穿刺を諦めて,大腿静脈穿刺をしようと考えますが,現実は厳しく,すでに大腿静脈にはほかの中心静脈カテーテルが挿入されていたり,血栓化しているといった顛末であることがしばしばです。
以上のように,代替法を検討してもなお左内頸静脈からの透析用カテーテル挿入を行わざるを得ない場合の要点について,次の順で解説します。
●なぜ左内頸静脈からの挿入を避けるべきなのか
●合併症のメカニズム
●挿入時に注意すべき具体的対策

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