症例ライブラリー 無尿と乏尿
婦人科手術中に尿が出ない
吉永 晃一
1
Koichi YOSHINAGA
1
1自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座
キーワード:
腹腔鏡下子宮全摘術
,
尿管損傷
,
尿管ステント
,
水腎症
Keyword:
腹腔鏡下子宮全摘術
,
尿管損傷
,
尿管ステント
,
水腎症
pp.31-35
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330010031
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■症例
55歳の女性。身長155cm,体重75kg。子宮体癌IA期に対する腹腔鏡下子宮全摘術/両側付属器摘出術が予定された。子宮内膜症の既往から骨盤内癒着が想定された。既往に高血圧症があり,カルシウム拮抗薬とアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を内服していた。術前の血圧は135/78mmHgと良好にコントロールされていた。腎機能は血清クレアチニン(Cr)1.10mg/dL,推算糸球体濾過量(eGFR)41mL/min/1.73m2であった。
■麻酔経過
プロポフォール,フェンタニル,レミフェンタニル,ロクロニウムによる全静脈麻酔(TIVA)で行った。腹腔鏡ポート挿入後,気腹圧12mmHgで気腹開始し,頭低位とした。プロポフォール目標濃度調節静注target controlled infusion(TCI)2.5μg/mL,レミフェンタニル0.3μg/kg/min投与下で心拍数65bpm,血圧87/52(平均61)mmHgであった。術前の予想どおり,骨盤内は高度に癒着しており剝離に難渋している。肥満の影響か視野が不良で,術者の指示で気腹圧は15mmHgに上げられた。手術開始2時間の時点で,膀胱留置カテーテルからの尿量が30mLと少ないことを外回り看護師から指摘された。ここまでの輸液量は晶質液900mL。
さて,あなたならどうする?

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