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東京都は東西に細長く,東側が世界的大都市なのに対し,西側は行けば行くほど郊外が広がっていきます。その最西端は山梨県・埼玉県に接する丘陵や山地につながる西多摩地区です。青梅市は,この西多摩地区という緑豊かで大自然あふれる地域にあります。多摩川や秋川といった清流,渓谷,さらには湖などの観光資源にも恵まれ,都心から日帰りできる観光スポットとして人気があります。例えば,ハイキングコースとしても人気の御岳山にある七代の滝は七段に分かれていますが,一般に見ることのできるのは下から4段目のここだけです(写真1)。そのほか,青梅市の名前の由来となった梅を植樹した梅の公園(写真2)(梅郷4-527)や,例年5月下旬から吹上しょうぶ公園(吹上425)で開催される吹上花しょうぶまつりもおすすめです。
市立青梅総合医療センター(以下,当院)は,都内の島嶼部を除く12の二次保健医療圏のうち,人口が最少で面積が最大の西多摩保健医療圏で唯一の救命救急センターを併設しています。山岳部や高速道路などの事故でも,山あいの地域住民の急性疾患でも,日常的にヘリで患者が搬送されて来ます。夜間・休日の手術は原則1列しか対応できませんが,当院での加療が難しい場合などには,東京都の面積が狭いためかすぐ東側の他地域にある特定機能病院に比較的容易に搬送できるのは,在郷でも大都市に隣接しているメリットだと考えています。もっとも近年は,高齢化のためか当地域内での治療の完結を望む声も多くなっており,当院の外科系医師,循環器内科医師たちは,ロボット支援手術や低侵襲内視鏡手術,カテーテル手術を続々と開始しています。おかげでのどかな立地の割には,のんびりとはしていられない病院かもしれません。
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