こどものことをもっと知ろう 第72回
小児の在宅医療—慢性肺胞低換気を例として
土畠 智幸
1
Tomoyuki DOBATA
1
1生涯医療クリニックさっぽろ
pp.480-483
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320050480
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幼児期から脊柱変形による拘束性換気障害を指摘されていた14歳の女性。感冒罹患により呼吸状態が悪化し,救急外来を受診。呼吸不全の状態にてICU入室。非侵襲的陽圧換気(NPPV)による呼吸管理が功を奏し,急性期は脱しましたが,呼吸器の離脱がなかなか進みません。
主治医(小児科医):そろそろICUから退室できそうでしょうか?
ICUで全身管理を担当する麻酔科医:できると思います。ただし,このまま長期に人工呼吸器管理が必要になるのであれば,気管切開という選択肢もあると思うのですが……。
小児科医:もともと普通に中学校に通っていたお子さんでもあるし,気管切開になってしまうと復学も難しそうなので,もう少し時間をかけて離脱してみます。
小児科病棟に転棟後,約1か月かけて離脱を進め,日中は酸素投与1.0L/min,夜間はNPPVという呼吸管理となりました。

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