症例ライブラリー 外科医からのリクエストにTEEで応える
巻頭言
中澤 春政
1
1杏林大学医学部 麻酔科学教室
pp.441
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320050441
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- 文献概要
心臓手術に入ると麻酔科医は「ちょっと経食でみてくれよ」と外科医からよく声がかかる。TEEで簡単に評価できる場合はよいが,描出が難しくもたもたしていると「どんな感じ?」と二の矢が飛んでくる。冷や汗をかきながらようやく描出してTEEの所見を伝えたときには,もう次の手技に進んでいて,「それはもう大丈夫」と置いていかれてた。筆者も若いころそんな状況によく遭遇した。
現代の心臓手術においてTEEは必要不可欠なものとなり,心臓手術の麻酔を行う麻酔科医にとって必須の技術となった。そして,心臓外科医からも「心臓麻酔科医はTEEができて当たり前」と認識されるようになってきている。しかし,心臓外科医のリクエストに対して迅速かつ正確に応えるためには,ある程度の経験や修練が必要である。
本症例ライブラリーでは,心臓手術中や患者急変時に外科医からよく聞かれるTEE所見を取り上げた。さまざまな状況におけるTEEの描出とその評価方法について,もう一度確認してみよう!
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