徹底分析シリーズ 吸入麻酔と静脈麻酔 どっちを選ぶ?
呼吸器外科麻酔〜分離肺換気症例を中心に〜—麻酔薬の実践的選択
福田 征孝
1
,
川越 いづみ
1
Masataka FUKUDA
1
,
Izumi KAWAGOE
1
1順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座
pp.377-381
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320040377
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4月から麻酔科専攻医になったみなさんへ
呼吸器外科手術では,一側肺換気one lung ventilation(OLV)を可能にするダブルルーメンチューブの留置や気管支ファイバースコープを操作する技術,OLV中の低酸素血症への対応,開胸による高度な手術侵襲への疼痛コントロール,肺血管抵抗上昇による循環動態の変化への対応,術後のスムーズな抜管が要求されるなど,数多くの試練が待ち構えており,それらを乗り越える実力が試される。術中の麻酔薬として,吸入麻酔薬と静脈麻酔薬のどちらも選択することができ,それぞれに利点や欠点がある。指導医と相談しながら,あなたは患者入室までに必ずどちらかを選ばなければならないが,適切な麻酔薬の選択はより安全な麻酔を患者に提供できる。本稿はその選択の一助となるよう,どちらにも肩入れせず,それぞれのメリットやデメリットを検討する。

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