特集 キャリア・カルトグラフィ 目的地への地図を描くように,主体的にキャリアを設計する
【実践コラム】キャリアの地図を描いて見えた景色
中堅看護師への支援を考える—キャリア・カルトグラフィを通しての気づき
今井 陽子
1
1千葉大学医学部附属病院看護部
pp.1061-1063
発行日 2025年12月10日
Published Date 2025/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350121061
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
⦿キャリア・カルトグラフィと出会うまで
看護師として働き始めてから約10年間の私の目標は,「自分のやりたいことを見つけること」でした。特に極めたい専門領域があるわけでもなく,臨床の看護師以外のキャリアに進むことも考えられず,漠然と「このまま働き続けていくのだろう」と考えていました。
後輩からのキャリア相談を受ける機会が増えてきた15年目頃,「キャリアを考える余裕がない。この先どうすればいいのか分からない」と悩む後輩に出会ったことで,「私はこういう看護師をサポートしたい」と強く思うようになりました。「その人自身が看護職にやりがいを見いだし,看護職として働き続けられるような支援をしたい」という思いから,大学院で学ぶことを決意しました。今思えば,この一歩が私自身のキャリアの大きな前進だったと思いますが,当時の私は「自分が学びたい」という気持ちでいっぱいでした。自分のやりたいことが,結果的に組織や社会にとってどう役立つのかまでは考えられていませんでした。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

