講座 関節拘縮と痛み・第1回【新連載】
関節拘縮の基礎知識
本田 祐一郎
1
,
沖田 実
1
Yuichiro Honda
1
,
Minoru Okita
1
1長崎大学
pp.1446-1451
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590131446
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はじめに
関節拘縮(以下,拘縮)の発生状況を疾患別にみてみると,脳卒中で67%,多発性硬化症で56%,脊髄損傷で66%,変形性膝関節症で93%であったと報告されている(表)1).つまり,拘縮は疾患の種類を問わず高頻度に発生するといえ,このことは医療技術が発展した昨今においても奏功する介入戦略が開発されていないことを物語っている.
一方,筆者らの自験データによれば,拘縮の発生時には責任病巣となる皮膚や骨格筋,関節包に線維化と呼ばれる共通の病態が生じ,骨格筋に関してはその発生・進行にかかわるメカニズムも明らかになりつつある.そこで,本稿では拘縮の病態を責任病巣に分けて概説するとともに,骨格筋の変化に由来した拘縮に関しては,その発生・進行に関わるメカニズムについても紹介する.

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