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Key Questions
Q1:新しい生涯学修制度とは?
Q2:登録作業療法士と認定作業療法士の目指す方向性とは?
Q3:作業療法士が獲得すべき4つの力とは?
はじめに
一般社団法人日本作業療法士協会(以下,協会)が会員の自己研鑽とキャリア形成を支援する制度として運用してきた「生涯教育制度」が,2025年(令和7年)4月より新たな「生涯学修制度」として始動する1).
2024年(令和6年)10月現在,わが国の作業療法士免許取得者は11万人を超え,生涯教育制度が始まった2003年(平成15年)当時の有資格者数と比較すると,6倍以上の作業療法士が臨床実践現場で活躍している.2000年(平成12年)の介護保険サービス導入に伴い,対象者の生活の場で支援が可能となると同時に,回復期リハビリテーション病棟が創設され,臨床実践の場はいずれも右肩上がりに増え続けてきた.この20年間は,作業療法士が活躍するフィールドが,地域のみならず医療機関に集中してきた時代であったといえる.
では,これからの作業療法士の臨床実践現場はどのように変化していくのだろうか.現在の社会保障制度の状況を踏まえると,医療や介護制度下の支援現場にとどまるとは考えにくい.これまで以上に,地域を新たなフィールドとして支援の場を広げ,そのあり方を自ら創造する実践力が作業療法士に求められるだろう.地域共生社会に貢献する作業療法士を育成するためには,一定の水準に基づいて認定することで作業療法士の質を担保する制度を整え,これからの時代を見据えた生涯学修の仕組みを構築することが必要である.
本稿では,新しい生涯学修制度の成り立ちや協会が示す目的を紹介するとともに,これからの作業療法士に求められる生涯学修のあり方について,私見を交えながら述べたい.
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