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Key Questions
Q1:産業低迷,過疎高齢化地域でも雇用支援をあきらめないためには?
Q2:NPO法人を(障害者も含め)地域住民の雇用創出にどう活用するか?
Q3:専門職として,地域の雇用情勢を見直すには?
はじめに
愛媛県の南端にある小さな田舎町愛南町は,日本の多くの地方と同様に,過疎高齢化が急速に進んでいます.人口はこの20年で1万人減少し,現在2.2万人です.「みるみる人がいなくなっていく」と実感します.昭和の終わりごろは,農業・漁業も栄え,次々と企業誘致もなされていましたが,企業は次々と撤退し,ごく一部を除き,第一次産業も低迷しています.地域の人は口々に「仕事がないから……」と何かにつけて話されており,明るい話題になかなか出会えません.先日の地域自立支援協議会就労専門部会でも,ある就労継続支援B型事業所の方が「仕事がないのでどうにも……」とあきらめに近い発言をされています.
そのような中で,私たちなりの方法で就労・雇用支援に向けて実践を重ねてきました.地域住民の中で,あたかも事実のように語られ続ける「仕事がない!」を解決することが第一歩と考え,さまざまな切り口で起業し,「地域住民の雇用創出」に試行錯誤を繰り返しています.実際,起業による就労・雇用支援も実現してきましたが,地域の雇用情勢は,見ると聞くとは大違いで,ただ「仕事がない!」と嘆くだけの状況ではまったくなく,現在は,人口が減り,事業所が次々に閉鎖されていく今だからこそできることも多いと考えています.
私たちのここまでの実践,未来に向けての取り組み,その中でのOTの奮闘を報告させていただきます.また,医療や福祉の立場だけから地域の雇用をみるのではなく,実際に,観光・飲食・商・農・水産業経営を行っていることで気づけたことも考察に加えます.
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