連載 COVID-19パンデミック後の変革・第5回
医療現場におけるアップデート クリニック—呼吸器専門クリニックが選択的に積み重ねた,“真のアップデート”
辻村 康彦
1
Yasuhiko TSUJIMURA
1
1平松内科・呼吸器内科
pp.219-222
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520600020219
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はじめに
COVID-19の流行は,多くの医療機関に診療体制の大きな見直しを迫った.外来や病棟の運用が一変し,リハビリテーションの現場でも,医療者と患者の距離に配慮しながら診療しつつも,時に一時的な中断を余儀なくされた施設も少なくなかった.
一方で,われわれ呼吸器専門クリニックでは,実は“世間のような劇的な変化”は起こらなかった.これは対応が遅れたからでも備えが不十分だったからでもなく,むしろその逆で,呼吸器疾患を扱う医療機関として,日常診療のなかにすでに感染対策が組み込まれていたことが大きな理由である.
インフルエンザなどの呼吸器感染症は,われわれにとって“特別な事態”ではなく,日々の診療やリハビリテーションのなかで常に向き合ってきた課題であった.だからこそ,COVID-19が流行したときも,「すべてを変える」のではなく,既存の体制をベースとして,必要な部分を選択的にアップデートすることで対応できたのである.
本稿では,呼吸器専門クリニックとしての立場から,COVID-19前後での診療・リハビリテーション体制の変化と継続を振り返り,「感染対策を特別な一時対応ではなく,標準として組み込む」という視点から,現場のアップデートを紹介する.

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