Close-up 大規模災害に対する支援体制
災害発生時のための平時からの備えと,発生時の活動—福島県災害リハビリテーション推進協議会の活動を通じた災害リハビリテーションの実践と展望
野村 潤
1,2
,
渡邉 秋江
1,2,3
,
舟見 敬成
2,4,5
Jun NOMURA
1,2
,
Akie WATANABE
1,2,3
,
Yoshinari FUNAMI
2,4,5
1福島県立医科大学附属病院リハビリテーションセンター
2福島県災害リハビリテーション推進協議会
3福島県地域リハビリテーション支援センター
4総合南東北病院
5福島県地域リハビリテーション広域支援センター
キーワード:
災害リハビリテーション
,
地域連携
,
JRAT
,
Japan Disaster Rehabilitation Assistance Team
Keyword:
災害リハビリテーション
,
地域連携
,
JRAT
,
Japan Disaster Rehabilitation Assistance Team
pp.1342-1346
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590111342
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はじめに
わが国は地震や台風,豪雨といった自然災害の多発地域であり,近年では地球温暖化に伴う異常気象の影響も相まって,その頻度や規模はますます増加傾向にある.こうした災害発生時において,避難生活の長期化やインフラの遮断により生じる「生活不活発病」や「災害関連死」のリスクが深刻な問題として浮き彫りになっている.
このような状況のなかで,2024(令和6)年6月に災害時のリハビリテーション支援チーム(Japan Disaster Rehabilitation Assistance Team:JRAT)が防災基本計画に明記され,リハビリテーション専門職への期待がいっそう高まっている.JRATは災害発生直後から地域に入り,避難所や在宅被災者を対象にリハビリテーションの提供を行うことで,被災者の生活機能の維持と回復を支援することを目的としている1).
本稿では,福島県災害リハビリテーション支援協議会(福島JRAT)が2019年の令和元年東日本台風災害支援活動などを通じて得た知見をもとに,平時からの備えと災害時の対応,さらに今後求められる地域との連携について考察する.

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