ひろば
理学療法の定義の再考
奈良 勲
1
Isao NARA
1
1広島大学
pp.1141
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590091141
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「理学療法士及び作業療法士法」(昭和40年法律第137号)は,1963年に設立された国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院の1期生の卒業年度に合わせて1965年に制定された.そのなかの理学療法の定義は,理学療法とは,「身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マツサージ,温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と定められている.しかし,この法律が制定されてから60年が経過した現在の理学療法の実態とは乖離した内容であり,旧態依然とした理学療法の定義であると言える.
そこで,筆者は2001年に改訂された国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)に準じた理学療法の定義を再考した.それは,「理学療法とは,心身の機能・身体構造に変調もしくは疾患のある者に対し,それらの回復を図るため運動療法,徒手的療法及び電気,温熱などの物理的介入,補装具や福祉用具の利用により,生活機能を高めるとともに予防を含む健康を増進し,社会参加を支援することをいう」である.
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