ひろば
女性患者に対する胸骨圧迫の質の評価と向上に関する研究紹介
小林 薰
1
Kaoru KOBAYASHI
1
1国際医療福祉大学保健医療学部理学療法学科
pp.754
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590060754
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2018年9月,「通学途上に急病の女性,チームワークで救命処置」という新聞記事1)を目にした.救助活動に取り組んだのは私が勤務する学科の1年生5人であった.本学では,入学直後に救命処置の講習を行っており,私は今もこの講習を担当する立場にある.過去に,運動会中に倒れた女性に胸骨圧迫をした経験があり,これを機に心肺蘇生教育の重要さを再認識させられ,女性に対する胸骨圧迫の難しさを肌で感じた.
読者の方々は,院外で心停止を起こした人が女性の場合,救命処置を受ける割合が男性より低いという現状をご存じだろうか.緊急事態とはいえ,女性の体に触れたり,服を脱がせたりする行為が,「けがをさせてしまいそう」,「裁判を起こされそう」といった不安につながり,救命処置の開始を躊躇させているという見方がある.
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