今月の臨床 エキスパートに学ぶ―体外受精実践講座
卵子の質の評価法
上野 ゆき穂
1
,
見尾 保幸
1
1ミオ・ファティリティ・クリニックリプロダクティブセンター
pp.940-945
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101811
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
生殖補助医療(assisted reproductive technology : ART)においては,いかに妊孕性の高い胚を選択的に移植するかが妊娠成立の鍵を握る最大の要因であり,良好胚の選別はART従事者にとってきわめて重要な課題である.また,近年大きな社会問題となっているARTによる多胎妊娠の頻発,およびその防止の観点から,これまで3個以内とされていた移植胚数が見直されつつあり,選択的単一胚移植(elective single embryo transfer : eSET)の必要性が唱えられるようになったことから1),より精度の高い胚のクオリティ評価が求められている.本稿では,当院における初期胚のクオリティの評価法を,time─lapse cinematography(TLC)を用いた初期胚発生過程の連続観察により得られた新たな知見を交えながら解説する.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.