連載 とびら
スポーツに魅せられて
平野 佳代子
1
1井戸田整形外科名駅スポーツクリニック
pp.385
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590040385
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理学療法士として働き始めて約30年が経ち,その多くをスポーツ理学療法へ費やしてきた.私が働き始めた頃,スポーツにおける理学療法は成長期の初期であったように思う.当時,かかわる人数(理学療法士全体からの比率も)は今と比較すると圧倒的に少なかったが,都度,全国から志の高い理学療法士が集まり,エクササイズやテーピング,徒手療法などの技能習得や,スポーツ動作の観察・分析方法に対する議論など,皆が情熱的に取り組んでいたことをよく覚えている.その後,四半世紀余りで,国内外でスポーツ技術の発展,スポーツにおけるあり方の変化,アスリートを取り巻く環境の整備とともに,理学療法を含むスポーツ医療もめざましく進展した.全体的な理学療法士数の増員もあるが,本分野へ興味・関心をもつ理学療法士も多くなっていった.
このようななか,2021年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)が開催され,500名以上の理学療法士が活動し,国際的に高い評価を得たと聞いている.大会支援のため,日本理学療法士協会が2013年より人材養成のための研修プログラムの計画に着手した(「記録集—東京2020オリ・パラ大会から理学療法士の未来に向けて」日本理学療法士協会,2022年).私も,数年間にわたりすべてのプログラムを受講したが,大変充実した内容であった.
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