コーヒーブレイク
虹に魅せられ
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.540
発行日 1998年5月15日
Published Date 1998/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903726
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今年の年賀状に映画好きの友人から「寅さん亡き後は虹(をつかむ男)にでもしましょうか」という便りをもらった.一見するとまことに映画を虹にたとえた山田洋次監督の着眼が光る.私も物心ついたころから映画好きで現在のテレビ好きにもつながっており,人生大半の時間を映画を観るに費やしたという淀川長治さんには及ばないがずいぶんと多くの時間をこれに使った気がする.
旧制中学からの親友のS君は私に輪をかけた映画狂であった.叔父さんが昭和10年代新興キネマのチャンバラ王と言われた大谷日出夫という俳優であったせいで彼もこの世界に身をおくのを宿命と感じたか,定年まで高田馬場辺の劇場のマネージャーを務め,虹の主人公役と同様の軌跡をたどった.
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