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はじめに
骨粗鬆症性椎体骨折(osteoporotic vertebral fracture:OVF)の急性期に椎体形成術(vertebroplasty:VP)を行う場合,balloon kyphoplasty(BKP)やvertebral body stenting(VBS)は最小侵襲で加療できるため,高齢者にとっては有用な選択肢となる.両者とも椎体内に,経皮的に挿入したballoon,またはstent付きballoonを拡張させて作成した骨腔内に,ポリメチルメタクリレート(PMMA)を主体とするセメントを充塡し,骨腔周囲の海綿骨梁間にPMMAを嵌入させることで骨折椎体の安定化を図る術式である.
しかしOVFの亜急性期以降,特に慢性期OVFの中には,椎体の内部に大きなcleftと骨折不安定性が生じて瘢痕軟部組織が形成され,セメントのアンカーとなる海綿骨の残存に乏しい重症型が散見される(図 1).
そのようなOVFに対して,VPにて骨折椎体を安定化させるためには,椎体内の瘢痕軟部組織の摘出が必要となってくる.われわれは,椎体内瘢痕軟部組織を摘出し,それによって生じた骨腔にリン酸カルシウムセメント(calcium phosphate cement:CPC)を充塡するVPを開発し,手技に改良を加えながら行ってきた(図 2).CPCはα-tricalcium phosphate(α-TCP)を主体とする粉体と溶解液を練和することで生成されるペースト状の人工骨である.使用時ペースト状であるため,注射シリンジに入れてノズルから骨腔内に注入充塡することが可能であり,骨内で非発熱性の水和反応にてその組成をハイドロキシアパタイト(HA)に変化させる.HAはPMMAと異なり,骨伝導能があり,周囲の骨組織との間に線維組織を介在することなく,直接結合する生体活性を有しているため,骨親和性は良好である.

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