Japanese
English
特集 骨粗鬆症性脊柱障害の治療戦略—保存から手術,そしてその先へ
第5章 骨セメント治療の現在
インプラント治療と骨セメント併用の最前線
Current Perspectives on Implant Fixation and Bone Cement Augmentation for Osteoporotic Vertebral Fractures
木島 和也
1
Kazuya KISHIMA
1
1兵庫医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo Medical University
キーワード:
セメント注入型椎弓根スクリュー
,
cement-augmented pedicle screw
,
CAPS
,
セメントリーク
,
cement leakage
,
CL
,
斜位法
,
oblique-view method
Keyword:
セメント注入型椎弓根スクリュー
,
cement-augmented pedicle screw
,
CAPS
,
セメントリーク
,
cement leakage
,
CL
,
斜位法
,
oblique-view method
pp.488-493
発行日 2026年4月25日
Published Date 2026/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120390040488
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
骨粗鬆症性椎体骨折(osteoporotic vertebral fracture:OVF)は高齢者における代表的な脊椎疾患であり,高齢化に伴いその外科的治療の重要性は年々高まっている.OVFの多くは保存治療により良好な治療成績が得られる一方で,骨癒合が得られず遷延治癒や偽関節に至る例も存在し,ときに神経障害を伴うことがある.また,疼痛が強く離床が困難な場合には,日常生活動作(ADL)が著しく制限され,生活の質(QOL)の低下を招く.
このような例に対しては外科的治療が選択される.基本的にはballoon kyphoplasty(BKP)により対応可能な例が多いが,BKPの成績不良因子を有する例8)では,椎弓根スクリューを用いた後方固定術の併用が大きな役割を占める.しかし,従来の後方固定術のみでは骨粗鬆骨に対して十分な固定力を得ることが困難であり,スクリューの緩み,バックアウト,矯正損失といった合併症が問題となってきた.
近年,椎弓根スクリュー先端から椎体内へ骨セメントを注入可能なcement-augmented pedicle screw(CAPS)が本邦でも使用可能となり,OVFに対する手術においてスクリューの緩みの減少,骨癒合率の向上,再手術率の低下などが報告されている10).一方で,セメントリーク(cement leakage:CL)をはじめとする特有の合併症も指摘されており,安全性の確保が重要な課題である.
本稿では,OVFに対するインプラント治療と骨セメント併用の現状を概説し,特にCAPSを中心に,その有効性とリスクについて文献的考察も含め整理する.

Copyright © 2026, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.

