特集 脊椎腫瘍の治療戦略
特集にあたって
筑田 博隆
1
1群馬大学大学院医学系研究科整形外科学
pp.183
発行日 2026年3月25日
Published Date 2026/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120390030183
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本号の特集テーマでは,脊椎腫瘍を取り上げた.脊椎腫瘍の多くは転移性腫瘍であるが,ときに脊索腫,骨巨細胞腫といった非転移性腫瘍に遭遇することがある.脊椎に発生する腫瘍には,血管腫のような良性腫瘍から,軟骨肉腫・骨肉腫のような悪性腫瘍に至るまでさまざまな種類があり,まず「敵を知る」ことが重要である.そのためには,造影MRIなどの各種画像検査に加え,生検を実施し病理診断を行うことが必須であろう.脊椎腫瘍の治療の中心は,手術および放射線治療であることが多いが,脊髄に近接するという解剖学的特性のため,詳細な計画と細心の注意を要する.また,腫瘍の発生高位によって,切除および再建の戦略が大きく異なる点も,重要な特徴である.このように,脊椎腫瘍の治療においては考慮すべき点が非常に多く,治療方針の選択は容易ではない.
本特集では,比較的遭遇頻度の高い非転移性脊椎腫瘍に焦点を当て,手術治療および放射線治療に通暁したエキスパートの先生方に,治療方針を検討するうえで必須となる最新の知見をまとめていただいた.従来の手術手技はもちろん,内視鏡手術,重粒子線治療,抗体医薬を含む薬物療法など,近年進歩の著しい治療法についても幅広く理解を深められる内容となっている.本特集が,最新知識のアップデートを通じて治療方針決定の一助となれば幸いである.

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